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相手へのフィードバックがもたらすもの

相手へのフィードバックがもたらすもの

企業研修でコーチングを学んだ、とある会社の中間管理職の方(6名)に対して、実際に1対1のコーチングを行う機会がありました。
そこでは、実際にプロのコーチングを受けてみて、何かに気付いてもらうという会社の意図を感じました。
今回のブログでは、その内の1名の方とのコーチング内容を書いています。そして、私からクライアントに発した言葉からクライアントの中に大きな気付きが起きました。
さて、どのようなコーチングになったでしょうか。


1. まずはお互いの自己紹介から

はじめましての方にコーチングを行う際には、必ず最初にお互いの自己紹介を行います。
理由は、『相手を知る』第一歩になるからです。どのような喋り方をするのか、どのような経歴を持った方なのか、私の自己紹介に対してどの部分でどのような反応をするのか・・・いろいろと相手を観察しながら、お互いの自己紹介をしていきます。
そして、その自己紹介を通して、ラポールを構築していきます。

2. このコーチングの時間のテーマ決め

お互いの自己紹介が終わったら、次にこのコーチングの時間、どのようなテーマを扱うのかを決めていきます。
日常業務でどのような悩みを抱えているのか、あるいはどのような課題をお持ちなのか、部署での人間関係はどのような状態なのか、或いはプライベートではどうなのか等をお聞きして、最終的にはクライアントにテーマを決めてもらいます。
今回のテーマは、『部下に指示を出しすぎてしまうし、部下からは恐れられているかもしれない。
そして、チームのモチベーションが低い。』ということだったので、『何を一番扱いたいですか?』と尋ねたところ、『モチベーションについて』とのことでした。

3. 現状から聞こえてくるクライアントの内的状態

職場のチームの状況をお聴きしていく中で、クライアント自身が『(部下に対して)もっと出来ないのかなと思っています。まぁ、自分もですけどね・・・』という言葉に私は最も興味を持ちました。
私から『自分について、どのように思っているのですか?』と問い掛けてみると、クライアント自身から、今の自分に対して思っていることを沢山打ち明けてくれました。しかも正直に。昇進意識もそれほど無く、役職については現状維持で良いと思う自分が居たり、上を目指すべきと思っている自分も居たりとか。
他にも沢山打ち明けてくれましたが、クライアントから発せられる言葉には、『~べき』(should)、『~ねばならない』(must)という言い回しが非常に多いなと感じました。

4. 私からの素直なフィードバック

クライアントから出てくる話の内容や言葉を通して私から感じたことを正直に伝えました。
『頭で考えていることと心の中で起きていることに不一致感を感じます』と。
言葉では、やらないといけないことが沢山出てきますが、なかなか前進していない現状を聴いて、そう感じたのです。
加えて、『貴方がshould とmust の生き方をしているから、それが部下に伝わり、部下から恐れられているのでは?』と伝えました。
そして、『本当はどうしたいんですか?』と。

クライアントは私からのフィードバックを通して、自分を含め部下に対しても(上から)押さえ込んでいたことに気付いたようでした。
結果、『部下にどうしていきたいのか聴いてみます。そして、自分にも問い掛けてみます』と。

5. フィードバックの威力

相手に何か指示命令しても、なかなか自分が思うように人が動いてくれないことはよくあります。
元々、人は自分が思うように動いてくれませんからね。
そんなときは、相手を観て感じること(フィードバック)を正直に伝えれば良いと思います。
例えて言うならば、フィードバックは、相手に鏡を見せて、相手の様子を映し出し、それを相手自身が観るものですから。
そうすれば、相手は何かを感じ、それが気付きに繋がると考えます。フィードバックはそれだけパワフルなものなのです。
但し、相手との信頼関係があることが大前提ですけどね。

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