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組織力を上げるには部長の役割も大切ですが、それによるマイナスな影響は何だと思いますか?

組織力を上げるには部長の役割も大切ですが、それによるマイナスな影響は何だと思いますか?

今、とある会社の営業部長の方々をコーチングしています。
その中の一人の方とのコーチングを通して気付いたことを今回は書いてみます。

その人自身が気付いていない潜在的な部分が、無意識に言葉として発せられてしまう、そんな事例を書いていきます。

1.会社から頼まれた営業部長へのコーチング

今、とある会社の営業部長の方々をコーチングしています。
昨年は、その会社の営業部長の部下に相当するエリアマネージャーの方々をコーチングさせていただきました。
この会社は、人材育成に力を注がれているようで、営業部長やエリアマネージャーの方々にコーチング研修を始めとして、様々な研修を設営しているようです。
おそらく組織力を上げるための1つとして、人材育成を掲げられているのだろうと私は推測しています。

今回は、学んだコーチングについて実際にプロのコーチにコーチングを受けてもらい、実際にコーチングを体験してもらおうという企画のようです。

2.いざコーチングを始めると

今回は、全員で9名の営業部長の方々のコーチングを担当しており、今現在で4名の方のコーチングが終わりました。
4名の方々は、さすが営業部長だなと感じるほどの意識の高い方ばかりでした。
扱ったテーマはそれぞれ異なりますが、その中の一人の方(ここでは仮に田中さんと呼ぶことにします)のテーマが『部下を気付かせるにはどうしたら良いか?』という題目でした。
田中さんは今年の1月から営業部長に就任されたので、まだ5ヶ月目ということでした。

まず始めに
『部下の方々とどの様に接していきたいですか?』と問い掛けました。
すると田中さんは、
『部下の視座を高くしたいので、自分の経験も含めて、部下にとってプラスになると思うことは、示していきたい、見せていきたい』と仰っていました。
次に、これまでの5ヶ月を通して、田中さん自身で上手くいっていることと上手くいっていないことを聴きました。
これは、事実を素直に見るということで現状把握になります。

上手くいっていることについては、4項目出てきました。
最後の4項目目は、絞り出した感じがありますが、私からの『他にありますか?』の問い掛けに対して、じっくり振り返り、思い出している田中さんの姿が印象的でした。
そして、上手くいっていないことについては、即答で『部下が思い通りに動かせていない』とのことでした。

3.コーチが思うことをフィードバック

ここで私は、気になっていることを田中さんに伝えました。
少し気になることがあるので、そのことを田中さんに伝えても良いですか? と前置きして、田中さんの許可を取ってから、以下の言葉を伝えました。

冒頭のテーマに、部下を気付かせるにはどうしたら良いか?と仰っていましたが、ここで『気付かせる』という言葉を使っています。
そして、上手くいっていないことについて『動かせていない』という言葉を使っています。
これは、田中さんが気付いていない潜在意識の中に人を操作・コントロールしようという意図が働いていることが分かります。
実は人は誰からも操作・コントロールされたいとは思っていません。
田中さん、もし上司から『田中を気付かせたい、動かしたいんだけど?』と聞いたら、田中さんはどんな気持ちになりますか?

田中さんは、即座に『嫌ですね』と。

この操作・コントロールしたいという意図を持っていると、言葉の節々にその意図が乗りかかり、部下と会話しているときもその意図がなんとなくですが、部下に伝わるものですよ。
と、伝えました。
田中さんは、何かに気付かれたようで、これから部下と接するときには、敬意の気持ちを持って接するようにしますと仰っていました。

そして、このコーチングの冒頭にお互いを知るために、お互いの自己紹介をしていたのですが、その中で田中さんが戦国武将の大谷吉継が好きだと仰っていました。
彼の献身的で尽くそうとする人柄が好きだし、だからこそ多くの部下が大谷吉継に付いてきたんだと思うと・・・そんなことを仰っていたのです。
ですから田中さんには、
『部下と接するときには、大谷吉継を自分にインストールして見てください』と伝えました。

4.潜在的に思っていることが言葉として表出する

人が何気なく使っている言葉の奥底には、その人自身が気付いていない潜在的なところで思っていることが現れます。
無意識というのは、ある意味怖い部分なのです。
今回のケースのように、営業部長という役割だからこそ、部下を動かさないといけないという思いがあると、部下を動かす、気付かせるというような操作・コントロールすることになってしまうのです。

違う視点で見ると、これはかなり傲慢な一面となります。
この傲慢なエネルギーが言葉に乗って、部下に伝わってしまうのです。
今回は、常日頃から謙虚さを大切にしたいなと、私も考えさせられるコーチングとなりました。

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