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人になかなか相談したがらない人へのコーチングをやってみて

人になかなか相談したがらない人へのコーチングをやってみて

先日は、父親からコーチングを受けてこいと言われてやってきた人に対してコーチングを行いました。
コーチングは自主的な気持ちで受けることが大切ですが、今回のように人から言われてコーチングを受ける人にも価値があるのだなと感じたので書いてみます。

1.コーチングのテーマは?

このクライアントは、自発的に人に相談することは、ほとんど無いとのことでした。
これまでの人生で誰かに相談したのは、数回も及ばないとのことです。
相談したときは、大きく悩んでいたとのことで、自分では本当にどうにもならなくなった状況だったようです。
その人にとってみれば『ドデカイ』ことだったようです。

そんなクライアントに『今回のコーチングで何を扱いますか?』と尋ねたところ、『特に無い』との回答でした。
それもそのはず、父親から行ってこいと言われてコーチングを受けに来たからです。

2.コーチングを受ける同世代に興味がある

そんなクライアントから質問がありました。
『20代、30代でコーチングを受けた人はいますか?』
『そして、そのときはどのような内容でコーチングを受けましたか?』と。
私は、『ありますよ』と答え、続けて『今の仕事とやってみたいと思う仕事をどうしたらよいかという内容でコーチングをしました』と答えました。
クライアントは少し納得した感じでした。

3.クライアントが大きく影響を受けたことは

そして、私からいくつか尋ねました。
『自発的に自分の内面的なことを人に相談したことないと言っていましたが、どうしてそう思うのでしょうか?』
『いつ(何歳)からそのような考え方になったのですか?』
『そのような考え方になったキッカケは何か分かりますか?』

どうやら父親と祖父とのやり取りを小さい頃から見ていて、何事も自分で解決していかないといけないと思ったようでした。
子供ながらに心に決めたのでしょう。

小さい頃に近くにいるのは、親です。
子供はその親から良くも悪くもいろいろな影響を受けます。
このクライアントは、親が祖父から怒られている状況を見たときに、『怒られないようにするには・・・』という思考が、自動反応的に働いた感じでした。
そんなクライアントを見て、自分に厳しく生きてきたんだなと私は感じ、また愛おしく思えました。
これまで、本当に1人で頑張ってきたんだな、何でも自分で考えて解決してきたのだなと思いました。
そして、大人になって、内面的なことを人に相談する必要がないという思考に落ち着いたのだなと思いました。

4.感じない生き方

私とクライアントのやり取りを通して、このクライアントは、『自分で解決する』と決めて生きてきたと感じました。
それと同時に自分の身の回りに起きる出来事に対して、『感じる』ことをしてこなかったんだと思いました。
不感症とまでは言いませんが、敢えて感じないように生きてきたのだと思います。
その方が、余計なことを考えなくて済むし、クライアントにとっては、『楽』だからです。

自分が辛いと思えば悲しくなったりするところを、『今は頑張るときだ』と自分で自分を叱咤激励して生きてきたような感じです。
実は、私も以前はそんな生き方をしてきたので、このクライアントのことが分かるのです。

5.宿題として

そんな感じない生き方をしてきたクライアントに私から問い掛けました。
『喜怒哀楽という言葉がありますが、どれを一番やっていないですか?』
クライアントから『怒ですね』と。

そんなクライアントに次回までの宿題を出しました。
一日の終わりにお風呂の中でも、布団に入るときでも良いので、『今日一日何を感じたのか、振り返りをしてください』と。
クライアントは、コーチング前よりは何故だか柔らかい表情になって、『はい、分かりました』と答えて、部屋を出てきました。

彼が心の中の感情を味わうことで、少しでもほぐれていくと良いなと思ったコーチングでした。

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