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固定観念が邪魔をすることで、心の中の叫び声が聴けなってしまいます

先日、とあるインテリアコーディネーターの方をコーチングする機会がありました。
その方の悩みは、『本当に自分はインテリアコーディネーターをやる気があるのだろうか?』と
思うことがしばしばあるということでした。

私 :『今日は、どんなテーマを取り扱いたいですか?』
相手:『はい、今日は、私自身、仕事としてインテリアコーディネーターをやっているのですが、
    時折、本当に自分がこの仕事に対して、やる気があるのだろうか?と悩むときがあるんです。』 
私 :『ほぉ、そうなんですね。やる気があるのかと悩むときがあるんですね?』
相手:『はい。ですから、今日は、それを取り扱いたくて・・・』
私 :『分かりました。ちなみに、やる気があるのかと悩むときは、どんなときですか?』
相手:『私は、仕事を掛け持ちしているのですが、別の仕事が終わって帰宅したときに、
    明日のインテリアコーディネーターの勉強会・・・出たくないな・・・休みたいな、
    と思うことがあって・・・』
私 :『ほぉ、仕事を掛け持ちされているんですね。それは大変ですね。
    そして、明日の勉強会、休みたいなって思ってしまうことがあるんですね』
相手:『はい。そんなときに、ふと、私はやる気があるのかなって思ってしまうんです。』
私 :『どうして、そのときにやる気があるのかなって思ってしまうんですか?』
相手:『休みたいと思ってしまう。でも、勉強会は私にとっては必要なことで、
    それを休みたくなるということがいけないことだと思うんです。
    そして、休みたくなるというのは、やる気が無いんじゃないかって思ってしまうんです。』

この段階で私の頭の中では、以下のことを思っていました。
 ・この人の中では『休むことは=いけないこと』
 ・そして『休みたいと思うこと=やる気が無いこと』
相手の頭の中では、このような等式が成り立っているのだなと思いました。
しかも、無意識の中で当たり前のように思っているのだなと。

ですから、私は、問いかけました。
『休むことって、いけないことなのですか?』と。
ここから先のやりとりについては、ここでは省略しますが、人は、自分の固定観念が原因となって、
無意識レベルでかなりの制限を自分に掛けてしまいます。
そして、自分自身を苦しめてしまう結果になるのです。

今回のケースでは、『休むこと=いけないこと』のベースになっている固定観念は、
『やる気があるなら休むべきではない』とか『休むことはいけないこと』です。

では、この固定観念、いつから身につけたのでしょうか?

おそらく中学生前後に親の影響だったり、学校の先生の影響だったり、あるいは、
近くに居た誰かの影響で、この固定観念を身につけたと思われます。

コーチングの途中、こんな風に問いかけました。
『本当は、どんな自分で在りたいんですか?』と。
するとこの方は、『本当は、テキパキと答えを出して動きたいんです』と。
そう言うと同時に涙を流し始めました。

私 :『今、涙が出てきていますが、あなたの中で何が起きているのでしょうか?
    その涙には、どんな意味があるのでしょうか?』

しばらく相手の方は、この問い掛けにしっかり向き合った後、
相手:『自分が思っている理想とかけ離れている自分がいるので、涙が出てきました』
私 :『その涙には、どのような感情が表れていますか?』
相手:『う~ん・・・・悔しさとか・・・・悲しさですね』
私 :『悔しさとか、悲しさなんですね。
    では、その感情を抑えるのではなく、しっかりと味わってみてください。
    そして、おそらく、その感情、これまであなたは、ずっと抑えてこられたのではないでしょうか?
    言い換えると、見て見ぬ振りをしてきたというか・・・』

すると、この方は、さらに泣き出しました。
この方は、心の中からの叫び声にずっと向き合わずに、
自分を叱咤激励してこれまで生きてこられたのだろうなと私は感じました。
つまり、自分に厳しく接するがために、自分を癒やせていないのだと思ったのです。
同時にかなりの頑張り屋さんではあるけれど、お陰で心が疲れているのだなとも思いました。

相手の方に私からアドバイスを伝えることに了解を得てから、こんな風に伝えました。
休みたいと思う気持ちを受け入れるように、そして、自分の心の中からの叫び声に耳を傾けてくださいと。

相手の方は、涙を流されて少しスッキリされたのか、穏やかな表情をされておられました。

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