二本のリンゴの木をイメージしてください。
一つは、根が太く、そして長くビッシリと広々と根が張っているリンゴの木です。
もう一つは、根が細くて短くて、狭い範囲でしか根が張っていないリンゴの木です。

もし、台風並みの強い風が吹いたら、それぞれのリンゴの木はどのようになるでしょうか？

おそらく根が太くてしっかりとしたリンゴの木は、凜としてびくともせずその場に立っているでしょう。
そして、根が細くて短いリンゴの木は、風にあおられて大きく揺れたり、はたまた折れてしまうかもしれません。

では、美味しいリンゴが成るのは、どちらのリンゴの木でしょうか？

これは聞かれなくてもわかると思いますが、根がしっかりとしたリンゴの木です。
栄養分も広く吸収できるでしょうし、根が太い分、多くの栄養分をリンゴに送ることができます。

この「根っこ」の部分、実は、土に埋もれて隠れているので見えない部分です。

実は、これは人にも当てはまります。
あなたが初対面で、ある人と会って話をしたときに、「この人は他の人とは何か違う」と感じたり、「この人なら任せて安心かも」と思えたり・・・そんな体験をしたことがありませんか？
その逆もあるかと思います。「この人、ちょっと不安そうだな」とか「この人に任せて大丈夫かな」とかです。

では、何故そのように思えたのでしょうか？

初対面なので、その人の日常を知っている訳ではありませんが、何か感じるものがあったからこそ、「何か違う」とか「任せて安心」と、あるいはその逆と思えたのです。
それは、その人の「根っこ」を感じ取った、その人の「在り方」に触れた結果、そう思えたのです。

余談ですが、日本語はよく出来ていると思います。「彼は性根が座っている」とか、「根性が素晴らしい」と人の有り様を表現する言葉には「根」という文字が使われています。
「根」は人にとって大切な部分なのです。

この「根っこ」の部分、そこにはその人にとって大切なものが沢山詰まっていますが、その中身について、しっかりと理解している人は、それほど多くはないと私は感じています。
この「根っこ」について少しでも感じたり、腑に落ちたりすることができれば、その人の振る舞いや行動は大きく変化していきます。
そして、その先にある結果も大きく変化していくでしょう。
先ほどのリンゴの木の成ったリンゴのように。リンゴは、その結果なのです。

その「根っこ」に気付いていくことを、私は、コーチングを通して与えていきたいと思っています。