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目的に立ち返るコーチング

とある組織での話です。
今年度の各部での事業計画やその予算も決まっていて、あとは実施していくだけという状況です。
ある日の部会で決められた事業計画の一つの事業を行うことについて、協議する場が持たれました。予算は50万です。

まず部長が「この事業計画を進める上で、何をするか決めたいのですが、皆さんのご意見をお願いします」と始まりました。
部員からの意見としては、「予算が50万ですから、それ以内に納めることが大切です」と言うと、他の部員は「そうですね、50万の中でやれることについて意見を出し合っていけば良いのではないでしょうか?」と続きます。
他の部員は「この事業は、過去にもやっているので、これまでどんなことをしてきたのかを調査してから進むのも良いかと思います」と。
すると他の部員は「そうですね。それを調べてみて、これまでやっていないことを50万以内でやれば良いと思います」と。

ここで私は、「そもそも、この事業計画を行う目的って何でしたっけ?」と問いかけました。そして、続けて「予算50万を使うのが目的ではないと思うので、まずは、この事業を行う目的を確認して深めてから、その目的に沿った内容で進めていけば良いのはないでしょうか?」と。

事を始めようとすると、目的を忘れてしまいがちになる傾向は多いと感じています。
そうすると、いつしか「こなす」ことが目的になってしまいます。

このことをするのは、「誰のため?」、「何のため?」と止まって、観ることが大切なのではないでしょうか。

そして、先ほどの組織の例からすると、場合によっては、その組織の「存在意義」まで深める必要が出てくることもあるかもしれません。
そもそも我々は何のために存在しているのか・・・このことを確認すると、何か大きなことに気づくことがあるかもしれません。

先ほどの部会の話に戻ります。
目的が何かを問いかけたので、そこに参加しているメンバーは、真剣にそれを考え始めました。
目的をお互いに出し合って、それを一つにまとめて、しかも多数決ではなく全員一致で目的を文章化していった結果、部員の内側ではかなりのモチベーションが上がっていきました。
その上で事業の内容を考えていったので、かなり質の高い案を出せることができました。

人は、何かしようとしたときは、そこに隠れた目的が存在しています。
「なんとなくやってみたい」から始まることについても、実はその奥には、その人にとっては大切な何らかの目的が隠れています。
そして、そこには、必ずその人にとって肯定的な意図があります。
これが明らかになると、人はモチベーションが上がるようです。

目的に立ち返るコーチング、それは問いかけから始まります。

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