以前、友人と会話していたときの話です。
友人:『俺さぁ、人前で喋ると、いつも上手くいかないんだよね』
私 :『へぇ、そうなんだね。これまで上手くやれたこと(体験)は無いの?』
友人:『ないない、いつも失敗ばかりだよ』
私 :『そっかぁ~、いつもだとそれは辛いね』
少し気になった私は、友人にこんな問い掛けをしてみました。
私 :『いつもって言うけどさ、これまで何回ぐらい失敗したのかな?』
友人:『え?? そうだなぁ・・・・・・・・入社してからだから、3回ぐらいかな』
私 :『3回、失敗した体験があるんだね。それって、どんなときだったか、具体的に言えるかな?』
友人:『数えられたんだから、言えるさ。
1回目は、新入社員で入社したときに、みんなの前で自己紹介したとき。
2回目は、私が所属する部署の活動報告で大勢の人の前で発表したとき。
3回目は、友達の結婚披露宴でスピーチしたときだよ。』
多くの人は、3回、同じような体験をすると、たった3回の体験なのに、
いつの間にか『いつもそうなる』とか『必ず・・・』とか、『絶対に・・・』と
思い込んでしまう傾向があるようです。
今回の友人の場合は、人前で喋って上手くいかなかった、失敗した体験が3回ありました。
ですから、彼の思考の中では、『いつも失敗してしまう』に置き換わってしまったわけです。
例えば、女性に3回フラれると、『私はいつもフラれてしまう。モテない人間なのだ。』と思い込んで、
自分に妙な『ラベル』を貼ってしまいます。
こんな話も聞いたことがあります。
小学生の子供を持つ友人が、子供との出来事を教えてくれました。
子供:『パパ、スマホを買って!』
友人:『どうしたんだ、急に』
子供:『だって、僕の友達、みんなスマホ持ってるんだよ。だから、僕も欲しい!』
友人:『そっかぁ、みんな持ってるんだね。ところで、みんなって誰か教えて?』
子供:『えっとね、○○ちゃんに、△△ちゃんに、□□くんだよ』
友人:『みんなって、その3人なのね?』
子供:『そうだよ、3人の友達だよ。だから買って!』
と、こんな具合です。
友人の子供は、3人の友達がスマホを持っていることが、
いつの間にか『みんな持っている』にすり替わってしまったのです。
私は、イチローが大好きですが、彼がバッターボックスに入ると、
いつもヒットを打ってくれそうな気持ちになりました。
イチローは3割バッターです。
しかし、4割バッターではありませんでした。
3割ヒットを打つ打者が打席に入ると、ヒットをいつも打ってくれるような気分になるのです。
キーワードは『3』です。
この『3』という数字を経験すると、いつの間にか100%にすり替わってしまうのです。
あなたもそんな経験、ありませんか?
ここで大切なことは、
この勝手な思い込みで、自分の視野を知らず知らずの内に狭くしてしまっているということなのです。